今回ご紹介するお車はこちら、ホンダ「ヴェゼル」

まずは脱脂洗車にてボディの状態を細かく確認します。今回は新車ですが、新車であっても傷や雨染みが隠れている場合がありますので、納車前に行った可能性のあるWAXなどの油分をすべて除去します。

下記は脱脂洗車後のお車の状態です。
新車のため一見きれいに見えますが前回のJeepレネゲード同様に「磨き傷」が数ヶ所あり、特にルーフはひどい状態でした。


上記2枚の画像は通常の洗車などでついた「洗車傷」ではなく、作業者が研磨時につけたオーロラと呼ばれる「磨き傷」です。研磨したことで逆に傷を残してしまってはまったく意味がないのですが、下手な作業者が磨くと上記のような磨き傷が残ります。
今回もし販売店のカーディーラーでコーティングを依頼されていたら、おそらくこの状態でそのままコーティングが施工がされていたことでしょう・・・。創業年数や会社の規模と、技術の高さは必ずしも比例しません。
前回もご紹介しましたが、コンパウンドは傷を消すものではなく、傷をつけるものです。深い傷を浅い傷へと置き換えていく作業のため、傷が消えたように見えます。そのため中途半端な研磨は逆に傷を残します。


上記2枚が当店で研磨したあとの状態です。
はじめて依頼のあった新型ヴェゼルの塗装ですが、N-BOX並みに柔らかく非常に磨きずらい印象ですね。通常使用しているのコンパウンドではめり込んでしまうため、今回はホンダ車専用に用意したコンパウンドを使用して除去しました。こちらは油分を含む油溶性のものですが、研磨後はしっかりと脱脂しているため問題ありません。
油溶性コンパウンドは水性、水溶性と違いWAXのように油分を含んでいるため、研磨時に傷がごまかされてしまいますが、脱脂作業をして研磨後の傷をしっかり確認すればホンダ車などの柔らかい塗装にも対応できます。

市販品で一般的に販売されているのがこういった油溶性コンパウンドです。非常に使いやすいため多くの車両販売店が使用していますが、この油溶性コンパウドは傷をごまかしてしまうためコーティング前には注意が必要です。
油溶性コンパウンドを使用し一度磨いてキレイに見えても、洗車後に傷が復活するのは、油溶性コンパウンドの油分によってごまかされていた傷が浮き出てくるためです。
これを「傷戻り」と言います。この傷戻り現象を起こさないためにも、時間をかけて研磨を行い、コーテイング前には脱脂による確認作業が必ず必要となります。2回行う脱脂作業には、コーティング剤を定着させる以外にこういった理由があります。
完成後はこちら。




夏場は気温が高いため、早朝6時よりコーティング剤の塗り込み作業を行っています。
当店では1台に対して最善の方法で施工を完了することを常に心掛けています。エアコンもちろん完備していますが、それでも夏場だけは気温の低い早朝に行うことで、施工ムラがでる可能性を最大限に抑えます。


コーティングの塗り込みだけに3時間程度かかったため、終わるころには汗だくです・・・。
施工後は朝日で最終確認を行い、すべての作業が完了です。ここから24時間の硬化させてご納車です。
今回は新車でしたが、下地処理とコーティング施工あわせて12時間程度の作業内容となりました。当店では品質を重視するため、1日ですべての作業は完了させません。
当店では、
■1日目にクリーニング+傷の状態確認+細部の研磨
■2日目に全体の研磨+脱脂洗車(下地処理)
■3日目に2回目の脱脂作業とコーティング塗布
■4日目に24時間乾燥させて硬化
■5日目に納車
といった流れになるため、4日~5日はお車をお預かりさせていただいております。(代車無料)
※当日仕上がり、当日納車でできるカーコーティングとは作業内容がまったく異なります。
